先日、リラヨガのティーチャーズトレーニングの体験会に取材にいってきました。
以前、鎌倉に住んでいた頃からときどきリラヨガのティーチャーズトレーニングを受けていた先生にヨガを教わる機会があり、気になっていましたが当時はまだ早いかなと思っていて一度もうけないままでした。
解剖学的アプローチもあり、よりヨガの深い叡智を知ることができるということはもう知っていたのでなんだかドキドキとしていました。
体験会が開催される前に乳井真介先生(リラヨガを創設されました)が受付にいらしたのでご挨拶し、鎌倉にいた時にお世話になっていた先生がリラヨガでも学んでいたこと、知っているヨガ先生仲間がリラヨガ出身であることの話をして、丁寧にお話を聞いてくださいました。実直で一生懸命な先生という印象です。「長いこと本格的にヨガを学ばれているんですか?」とまっすぐな瞳でおっしゃっていただきました。
▶︎玄関を開けると広がる心地よい空間 ヨガの練習に最適な環境
リラヨガはビルの3階にありますがエレベータを降りるとすぐに無垢材のメープルを使ったフローリングが広がります。設備は、環境にも配慮した自然素材がたくさん使われています。受付のそばにはヨガ図書館のようなヨガに関する本がずらり。
スタジオスペースも30名収容可能なので広々としていて、まるで自然の中にいるような心地よさに包まれます。なんだか呼吸がしやすい感覚に包まれました。ヨガマットやプロップス(ボルスターなどの道具のことをいいます)もレンタル料はかからないので安心です。ちなみに、体験に訪れた日は、すでにマットを敷いてくださっていました。
▶︎「リラヨガ」の「リラ」ってどういう意味ですか?
ヨガスタジオの名前のなかにある、「リラ」というのはどういう意味でしょうか?。
スタジオのホームページにもありますが「リラ」とはサンスクリット語で”神々のダンス”を意味します。フランス語では”ライラック”。「リラの咲く頃」という言葉は”素晴らしい季節”という意味なんですね。そういう曲昔あったの覚えてます?!(光GENJI。「リラの咲く頃バルセロナで」っていう、たぶんバロセロナオリンピックのテーマソングだったような?!2001年の曲です。今が2019年なので、今から18年前!ブログをご覧の方の中では、もはや生まれていない人もいるでしょう~。きゃー!)
「いつも笑顔を忘れず、目の前に広がる世界と素敵なダンスを踊るように人生を謳歌して歩んでいけるように」そんな願いを込めて「リラヨガ」という名前にしたのだそう。
たしかに、現在もより広がりを見せるヨガというのは古代から伝わるインドの智慧だということは考えてみれば不思議なことです。
「誰もが望む輝きに満ちた人生を手に入れるための”魔法”である」と創設者の乳井先生は考え、ヨガの魔法の力を日本中に届け、老若男女、誰もがヨガの木陰で憩える社会を作ることがミッションなんだそうです。
とてもロマンティックですよね!
リラヨガは人生を豊かにするために”叡智としてのヨガ”を伝えられるヨガの伝道者をめざすために「ヨガエバンジェリストコース」という223時間のティーチャーズトレーニング・コースのプログラムを設けています。
「はじめから難しいことをするの?ヨガはまだ初心者なんだけど」と不安になる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。ヨガの基本をマスターするファウンデーション・コースが2ヶ月で50時間行われ、そのあとヨガアドバンス・コースが58時間。こちらではヨガの応用原理を学びます。そして、その後にティーチャー・インテンシブ・コースが115時間ありヨガの指導技術をマスターしますと、晴れて全米ヨガアライアンス認定指導者の資格(RYT200)でもあるヨガエバンジェリスト・コース修了となります。
「ステップアップ方式」なので、気がついたらエレベーターを登るように少しずつヨガの理解が深まるので安心なこと、またひとりだとくじけることもあるけれど、シェアすることで消化しやすくなることもあるため「シェアリング」の時間も大切にしています。試験はペーパーテストがあります。
リラヨガのアーサナ(ポーズ)は、難しいものもチャレンジしますが、それができないという理由で試験に落ちることはほとんどないそうですのでご安心を。
▶︎ヨガで行う「シェアリング」って何でしょう?
日本のヨガスタジオでシェアリングの時間を設けているところは多くはないかもしれません。
個人的なことですが、わたし(Mayu)はたまたまシェアリングの時間を多く取るトレーニングを受ける機会が多かったので、シェアリングの大切さがとても理解できます。
一方的に知識をつめこむだけだと、理解が進まないことも多いのですが、シェアリングをすることで「なるほどー。こういうことを感じていたんだ」と同じことをしても感じることが異なるということの発見につながったり、自分の頭の整理にもつながります。
このコースをリードするのはリラヨガ (LiLA YOGA) を設立された乳井慎介先生。
新卒の出版会社を1年で退社したのちに、インドと日本を行き来しながらヨガを真摯に学び続けた先生です。早稲田大学の哲学科を卒業され(あ!大好きなタモリさんと一緒だ!でもタモリさんは中退w)、若い頃は人生思い悩むことも多かったようです。
そんな中あるときインドに行くことを思い立ちます。そしてそのときたまたま飛行機で隣にいた紳士が「インドに行くならここにいくといい」とヨガの聖地でもあるリシケシをすすめてくれたことから人生が大きく変化していったといいます。
その後、日本に戻りアルバイトをしながら渡印・渡米を繰り返しヨガの真髄を学び続けます。2004年には大手ヨガスクールのディレクターを歴任。ヨガ指導者育成プログラムの開発を担当し、2008年に「リラヨガインスティトゥート」を学芸大学に設立しました。ヨガ歴は実に20年を超えます。
(著書:「ヨーガの魔法」にも書かれています)
▶︎ヨガで「大切なのは情熱である」
「ヨガを学んでまだ日が浅いし、大丈夫かな?」と思った人もいるかもしれません。
しかし、乳井真一先生は「大切なのは情熱です」とのこと。3~5年くらいのヨガ歴の方が多いとのことですが、はじめて数ヶ月や半年くらいの方もいらっしゃるとのこと。
やはりヨガとは「出会うもの」
もし「出会ってしまった」ならきっといまがそのタイミングなのだと思います。
▶︎リラヨガが重視している「ヨガ哲学」
リラヨガはヨガの二大経典である「ヨガ・スートラ」と「バガヴァット・ギータ」
(また余談ですけどバガヴァット・ギータの「バカヴァーン」ってバカボンのパパの語源でもありますよね。この話はまたゆっくり…)を中心に、日常生活にも使える生きたインドの叡智を学ぶことができます。
これもとても素敵ですよね。学問だけではなく日常にも生きるというのもポイントです。最近、ヨガの説明会などに取材で行くととてもいいなと感じる理由のひとつは、「ヨガってポーズだけじゃないですよ」と先生みなさんおっしゃることです。
3歳から父がヨガを行っていたので、わたしはヨガは瞑想と呼吸かなーと子供の頃から感じていたのですが、それはポピュラーではないのだと最近知りました(笑)
巷では美容やスポーツのような印象を受けるヨガの広告っていっぱいありますよね。
それは間違いではないのですが、本当はヨガは内側で起こることがとても大切でちょっと地味なんですよね(写真にすることが難しいくらい!)。
だから、センセーショナルに分かりやすくするために、ああいった広告が増えているのかなと思うのです。例えば、ヨガ=ダイエットみたいな!
でも「痩せること」などは、あくまでも実はおまけなんですよね。
なにより、ヨガ哲学を学ぶと人生が少し生きやすくなります。
それはわたしも痛感しています。ほんの少しずつなんですけれども。
古代の智慧がいまに生きる。人間の心理っていうのは実に何千年たっても変わらないものなのだなーと痛感します。
▶︎ヨガ体験会当日は 「相反性神経支配」を利用したマジック体験も?!
当日は、「相反性神経支配」(一つの筋肉を使うとき、その反対側の筋肉がゆるむというメカニズム) を利用した体の変化をペアワークで行いました。
まずは、体が硬いと自覚している一人の男性がデモンストレーションをするために前に行き、前屈を。
はじめは全く床に手がつく気配がなかったのですが
先生とのペアワークを行います。
その後にもう一度前屈してみると…。
これには体験しているみなさんが全員で「おおー!」と叫びスタジオが一体となっていました。時間が経てば元に戻ってしまうのですが、体や脳は深い前屈を記憶することになりますし、即効性があることもやる気にはつながりますよね。前屈の苦手意識がなくなるかもしれません。体というのはとても不思議です。
また、腰痛が気になる女性も、うつ伏せになりまずは腰をチェック。その後足を上げて先生は手で反対側に押します。このときは生徒は5秒深い鼻呼吸を行います。
たったこれだけの先生のマジックで「あれ?腰が軽くなった!」と驚いていました。
デモンストレーションのあとは、隣の方とペアを組んで実際に体の変化が起こるか体験しました。わたしも前屈では手首までしっかり地面に着くようになったように思いましたし、腰もすっきりとしました。
▶︎「リラヨガ」が大切にしている3つの柱
「アライメント」「解剖学的知識」「ヨガ哲学」
ヨガは、やみくもにポーズをとればいいというものではないのです。長くヨガをし続けるには ”怪我なく安全に、またからだに効果を感じられるか” が大切です。そのためにアーサナ(ポーズ)をとるときに体の部位がどこにあるかを確認する「アライメント」を重視しています。
また、どういう形をとると体のつくりはどうなるのか?といった解剖学的な知識も重要です。怪我をしたときにはどうすればいいか?などといったことにも取り組みます。
ヨガをしている人は感じているかもしれませんが、自分の体の癖がわからずにはりきって数多くのヨガを行ったり、一つのポーズを深めすぎて関節などを痛めたり、腰を痛めるヨガの先生というのは実は少なくありません。ときには理学療法士さんと理学療法的なアプローチを行い、健康な体にも怪我をしてしまった体にもアプローチできるようにしているのだそう。
ヨガ哲学は、乳井先生ご自身がヨガ哲学で大いに人生を救われたことから、数多くの方に知って欲しいと心を込めて、ときに自分の体験を通して噛み砕いてヨガ哲学をお話してくださいます。
▶︎ヨガ八支則ニヤマのひとつ「イーシュワラプラニダーラ」とは?!
ヨガ哲学のエッセンスのひとしずくとして、ヨガ八支則ニヤマの一つである「イーシュワラプラニダーラ」についてのお話もしてくださいました。
”神様に身を委ねること。今見える世界の背後には、神聖な世界があり一瞬一瞬、目の前の世界を大切にして、一見望まないこともときには受け入れてみること。”
人は望んでいる現実が来たときには感謝し受け入れるけれど、望んでいない現実が訪れたときには「こんなはずじゃなかったのに!」と拒否をすることが多いですね。しかし、ほんとうは望んでいないと思っていた現実の奥には自分では気がついていない深い意味が込められていることが多いことに気がつくのもヨガの道の一つかもしれません。
▶︎体験会後半では「瞑想」体験
「瞑想」は足を組んで座ることではない!
ダーラナ(集中)からディアーナ(瞑想)へ 無我夢中の大切さ
体験会後半では、参加者に「瞑想」をしたことがあるかどうか、および「瞑想」とは一体なんでしょう?といった質問を行いました。
乳井先生によりますと、「瞑想」とは足を組んで座るといったことではなく「集中」のその先にある「無我夢中状態」のことをいうそう。
「ダーラナ」(集中) 状態が続くと、そこからまばたきの回数が極端に少なくなり、そこから「ディアーナ」(瞑想) に入ります。
隣の人とペアを組み、瞬きをしたら手をあげるというワークも行いました。
1度目はお互いにまばたきの回数も多かったのですがその後「内観」を用いて、目を閉じて浮かんでくることは「人生のやり残し」になるので、ノートに書き出しまた目を瞑る。これを繰り返しました。
眠くなった場合は睡眠が足りていないということで、3分でも5分でもシャバアーサナのように横になって睡眠をとるひともいました。浮かんでくるものを、無視したりそらすのではなく「やり残し」としてきちんと認識することで次第に「今」に意識を置けるようになるということが新鮮でした。
わたしは浮かんできたことをひとつひとつノートに書いていったところ、書いたあとはそのことは思い浮かばなくなり、何回か繰り返しその後眠くなりました。ノートに書き出すだけでもある程度やり残しがなくなるという場合もあるそうです。
▶︎「説明会」で乳井真介先生の人柄を感じてみよう
ヨガというのは「つながり」である
乳井先生は、非常に熱心にヨガへの想いにあふれていました。きかれた質問にも嘘偽りなく真摯に答えて、こんなことを言うのも変ですがとても人間くさいな!という部分もありました。「嘘のつけない方」という印象でした。
また、驚くことなかれ 出版社勤務からヨガへの流れは、雑誌で記事を作るライターや編集をしていたわたしのキャリアと重なるところも多く、さらに驚いたのはおなじ宮城県仙台市出身であったこと(しかも区も一緒w)。
ヨガというのはじつにいろいろ見えないものも含めて「つながり」なんだなーと驚きを禁じ得ませんでした。
▶︎形だけではない「ヨガの本質」を知りたい
ヨガの先生になりたい!と感じた人は是非
リラヨガでは、60分の説明会も行っています。是非体験してみてください。勧誘をされたりするわけでもないですので、もしヨガのティーチャーズトレーニング (TTC) を受けてみたいと感じた方は遠慮せずに申し込んでみてくださいね。
また、リラヨガには、日本統合医学協会認定の「メディカルヨガ・メディカルピラティス」インストラクターコース」もあります。
アロマテラピーやカウンセリングなども学科には組み込まれています。整形外科や整骨院、医療業界などでもヨガを取り入れる卒業生もいらっしゃり、予防や不調の改善にまで役立てるプログラムが組まれているそうです。また、こちらは実技以外はオンラインでも受講可能だそうなので、自分のペースで資格取得ができます。
▶︎「おまけ」実は、リラヨガが良いと感じた個人的な点
最後に参加者の方が「卒業後の進路」について「スタジオなどの紹介をしてくれるのですか?」と乳井先生に聞いていて「スタジオというより、ご自身でヨガサークルなどを開けるよう運営の仕方などサポートしていきます」と話されていたのがとても印象的でした。
わたしはヨガをたまたま素敵なヨガスタジオでも教える機会に恵まれていますが、誤解を恐れずに言えばたくさんのヨガクラスをしすぎて、体を酷使したり無理をして体を壊してしまうヨガインストラクターもいっぱいいます。スタジオの労働環境はどうでしょうか?朝早くから夜まで何コマもヨガクラスを持つという仲間もいて、いろいろ考えることがありました。もちろんお金や生活との兼ね合いなどもありますから、そのバランスというのはとても難しいところがあるかもしれません。
そこで自主開催のヨガサークルというのは、わたし自身もとても無理がない形のひとつだなと感じたりもします。みじかなところからヨガの花を咲かせていくことはとてもヨガ的だし、ヨガの先生自身も疲弊しないでいられるように思います。
バリバリとした会社員とは異なりますが、ヨガの智慧は一生使えます。一人でいても、女性の場合は子供ができたとしてもヨガを教えることもできますし、なによりもヨガを学ぶことで「生き方」が全く変わってくると思います。そしてそれは年齢を経るごとに深まっていきます。もし、人生に悩んでいて、ほんの少し時間があったりもしくは立ち止まる期間のとき。何か人生いままでとは違う生き方を選ぼうかなと考えている、そんなときにはyogaが人生の礎になることは間違いありません!(ほんとだよ)
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